お風呂で髪を洗った後に髪が抜ける経験をした人は多くいることでしょう。
それを見て、もしかしてトリートメント(リンス・コンディショナー)が原因なのでは?と不安になったことはないでしょうか。
今回の記事では、薄毛とトリートメント(リンス・コンディショナー)の関係性について詳しく解説していきたいと思います。
正しく使えばトリートメントは薄毛(ハゲ)に影響なし
結論からいうと、トリートメントを使っているからはげる、ということはありません。
むしろトリートメントは、髪を保護してハリやコシを強くする効果がありますので、正しく使用すれば髪に良い影響を与えてくれます。
ほとんどの男性の薄毛はAGAが原因
AGA(男性型脱毛症)は、日本人男性のおよそ3人に1人がなると言われている脱毛症です。
中でも最大の要因は男性ホルモン「DHT(ジヒデロテストステロン)」の分泌によるもの。
そのため、トリートメントとは無関係の症状になります。
どうしてトリートメントを使ったときに薄毛が悪化したと感じる?
「トリートメントは薄毛の原因にならない」ということは分かりましたが、ではなぜ洗髪時に髪が抜けるのでしょう。
人の髪の毛はヘアサイクルにより一定期間経てば自然に抜けるものなので、一回の洗髪で50本前後抜ける程度であれば全く心配しなくて大丈夫。
しかしあまりにも多く抜けるというのであれば、以下の要因が考えられます。
- 間違った使い方をしている
- しっとりまとまることでボリュームダウンして見える
- トリートメント以外のヘアケア方法に原因がある
間違った使い方をしている
トリートメントそのものに害はないものの、間違った使い方をすれば頭皮に悪影響を及ぼす可能性があります。
次の項目で正しい使い方をご説明しますので、自分の使い方は正しいか、今一度見直してみるのがおすすめです。
しっとりまとまることでボリュームダウンして見える
トリートメントは、髪を補修してしっとりまとまりやすくしてくれる効果があります。
そのため、重めのトリートメントを使用する、規定よりも多く使用する等で髪が重たくなって根元の立ち上がりが弱くなり、ボリュームが出づらくなることがあります。
薄毛が進行しているわけではなく、より際立って見えてしまうということですね。
トリートメント以外のヘアケア方法に原因がある
いくらトリートメントに力を入れても、それ以外の工程で髪や頭皮にダメージを与えてしまっては意味がありません。
ヘアケア全体を正しく行い、薄毛の原因を取り除きましょう。
洗髪前の準備
洗髪前にすべきなのが、ブラッシングと予洗い。
この工程だけで、頭皮の汚れの半分以上を落とすことができます。
何もせずに洗髪を始めると、髪の絡まりに指が引っかかって髪が抜けたり、頭皮の汚れが原因でシャンプーが泡立たずしっかり洗えなかったりと悪いことだらけ。
シャンプーの効果を最大限発揮させるためにも、ブラッシングや予洗いで事前にしっかり汚れを落としましょう。
シャンプーでの洗い方
頭皮をゴシゴシこするように髪を洗ってはいませんか?
頭皮のダメージは抜け毛の原因となりますので、指の腹で優しくマッサージするように洗ってあげてください。
汚れを落とす効果の他、頭皮の血行が促進されることでさらに抜け毛予防効果が期待できます。
また、洗った後に水気を切ることで、よりトリートメントが髪に浸透しやすくなります。
ドライヤーでの乾かし方
高温で、長時間、近距離でドライヤーを使用するのはNG。
乾燥や熱ダメージで頭皮と髪が傷つくのはもちろんのこと、髪の毛の弾力や強度を保つ「シスチン」というたんぱく質が熱で分解され薄毛の原因となってしまいます。
60度~80度の温度設定で、5分~10分(髪が短い男性なら5分以下)、10cm~15cmの距離をキープして使用することで、髪にダメージを与えずに乾かすことができます。
ドライヤーの熱がだめなら自然乾燥の方が良い?と思った方もいるかもしれませんが、それはそれで髪が痛みやすくなってしまうので、優しくタオルドライで水気を取ってからさっとドライヤーで乾かすのがベストです。
薄毛を悪化させないトリートメントの使い方
洗髪の事前準備・シャンプー・ドライヤーの正しいやり方を確認したところで、いよいよトリートメントの正しい使い方を確認していきましょう。
トリートメントをする上で大事なのは以下4点です。
- トリートメント前に頭皮の汚れを落としきる
- 頭皮に付着させないよう注意
- 時間を置いてから洗い流す
- すすぎ残しに注意
トリートメント前に頭皮の汚れを落としきる
トリートメントは髪を保護するものであり、汚れを落とすものではないので、トリートメント前の時点でしっかり髪の汚れを落とし切る必要があります。
汚れの他、シャンプーの泡や水気もしっかり切ることで、より髪の内部にトリートメントの有効成分が入り込みやすくなります。
トリートメントの効果を最大限発揮するためにも、事前準備を怠らないようにしましょう。
頭皮に付着させないよう注意
トリートメントを頭皮に付けるのはNG!
故意でなくとも、髪が短い男性であればつい付着してしまうということもあるでしょう。
しかしそのトリートメントが毛穴をふさぐことで頭皮の炎症を起こし、髪の成長を妨げたり痒みや匂いを引き起こす原因となります。
トリートメントの役割はあくまでダメージを受けた髪のケアですので、ダメージを起こしやすい毛先を中心に付けるよう意識しましょう。
時間を置いてから洗い流す
トリートメントを付けた後、すぐに洗い流してはいませんか?
製品ごとに時間は異なりますが、塗付後およそ5分ほど放置してから洗い流すことで、より髪の内部にトリートメントの有効成分が浸透しやすくなります。
あまり放置しすぎると髪や頭皮に負担がかかってしまうため要注意です。
すすぎ残しに注意
すすぎ残しがあると、髪や頭皮がダメージを受けて薄毛の原因となります。
ヌルヌル感がなくなるまで手で髪をかき分けながらしっかりと洗い流すことが大事です。
特に頭皮に付着してしまった場合は殊更丁寧に洗い流すようにしましょう。
髪が短い人であれば使わなくてもOK
ここまで正しいトリートメントの使い方をご紹介してきましたが、髪が短い男性であればそもそも使わなくても大丈夫。
なぜなら、トリートメントは毛先のダメージケアのために使用するものなので、毛先までダメージが蓄積しにくい短髪の方は使う必要がないためです。
短髪だとトリートメントが頭皮に付着しやすいという問題点もありますので、自分の髪の状態を見て不要そうならやめるのも手でしょう。
薄毛を悪化させないトリートメントの選び方
「安いから」「なんとなくいつもこれ」等の理由でトリートメントを選んではいませんか?
トリートメントには様々な種類がありますので、自分の肌に合ったトリートメントを選ぶことでより効果を発揮することができます。
【敏感肌の人】
ノンシリコンや無添加のトリートメント
頭皮に痒みや痛み、赤みが出ている人は敏感肌。
そういう人には、刺激の少ないノンシリコンや無添加のトリートメントがおすすめです。
シリコンや各添加物は髪をコーティングしたり指通りを良くしたりする効果がありますが、人によっては刺激を感じることがあるため、敏感肌の人は避けた方が無難でしょう。
- ミノン薬用コンディショナー
- キュレル コンディショナー
- ノブ ヘアコンディショナー
おすすめのトリートメント3選
弱酸性で低刺激。敏感肌の方による運用テスト済みの優しいコンディショナーです。
植物由来の消炎剤(有効成分)を配合。負担を抑えながら頭皮と髪の潤いを守ります。
敏感な頭皮や髪のことを考えたヘアケアです。頭皮のうるおいは残しながらすっきりと洗いあげます。
【脂性肌の人】
油分が少ないタイプのトリートメント
頭皮がいつもベタついている人は脂性肌。
そういう人には、油分の少ない軽いタイプのトリートメントがおすすめです。
トリートメントの油分のおかげで髪の水分蒸発が防がれるのですが、人によってはよりベタつく原因となってしまいます。
水のようにさらりとした「オイル系」ではなく、乳液のようにとろりとした「ミルク系」や、濃厚なテクスチャの「クリーム系」のトリートメントを選ぶと油分が少ないのでおすすめです。
- h&s 5in1 コンディショナー
- スカルプコンディショナーB《脂性肌用》
- LebeL クールオレンジ スキャルプコンディショナー
おすすめのトリートメント3選
頭皮に揉みこむことで、かゆみ・におい・フケを防止しつつ保湿効果も発揮。頭皮悩み向けの商品。
ダイズエキスや加水分解酵母エキスなどの皮脂対策成分を配合した、短髪男性向けコンディショナー。
毛穴に詰まった余分な皮脂をやさしく取り除き、地肌にうるおいを与えます。
【乾燥肌の人】
保湿成分配合のトリートメント
カサつきや痒み、フケが多い人は乾燥肌。
そういう人には、アミノ酸やヒアルロン酸等の保湿成分が配合されたトリートメントがおすすめです。
アミノ酸は刺激が少なく保湿力に優れたたんぱく質、ヒアルロン酸は保湿力と保護力がある天然成分で、どちらも保湿に特化した効果が見込めます。
配合量の多さの数値的基準はないので選ぶのは難しいかもしれませんが、裏の成分表示や説明文の表記を参考にすると良いでしょう。
- UNOVE ディープダメージトリートメントEX
- エッセンシャル プレミアム うるおいバリアコンディショナー シルキー&スムース
- LUX スーパーリッチシャイン モイスチャー
おすすめのトリートメント3選
もっちりとしたテクスチャで、パーマや熱で傷んだ髪のキューティクルを補修しパサつきを改善します。
厳選した美容成分が配合されており、ダメージ補修だけでなく外部刺激からも髪を守ってくれます。
保湿成分「スクワラン」が髪の芯まで濃密保湿。髪のパサつきを徹底的に改善します。
根本治療も視野に入れて
もし薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)であれば、トリートメントなどのヘアケア用品を見直しても状況が改善されることはありません。
治療をしても残念ながら現代の医学では完治させることはできないのですが、進行を抑えることは可能です。
治療が早ければ早いほど多くの毛を残せますので、早い段階で一度検討してみるのがおすすめです。
AGA治療薬の服用
AGA治療方法の一つに、治療薬の服用があります。
種類は主に3種類。「フィナステリド(プロペシア等)」「デュタステリド(ザガーロ等)」「ミノキシジル」の3つです。
それぞれの違いは以下の通り。
いずれも、効果を発揮するまでに最低でも半年を要しますので根気強く続けることが大切です。
薬の種類 | プロペシア | ザガーロ | ミノキシジル |
---|---|---|---|
使用方法 | 飲み薬 1日1回1錠服用 |
飲み薬 1日1回1錠服用 |
飲み薬 1日1回1錠服用 塗り薬 1日2回患部に塗付 |
料金 | プロペシア :1mg28錠8,200円~ ジェネリック :1mg28錠3,800円~ |
0.5mg30錠10,500円~ | 外用:5%60g5,500円~ |
概要 | 1997年12月に承認された、世界初の医師が処方する内服のAGA治療薬 | プロペシアに続いて2番目に承認された、医師が処方する内服のAGA治療薬 | 一般用医薬品の発毛剤としても販売されており、内服薬と外用薬の2種類がある |
成分 | フィナステリド:AGAの原因となる「Ⅱ型の5αリダクターゼ」の働きを阻害 | デュタステリド:AGAの原因となる「Ⅰ型及びⅡ型の5αリダクターゼ」の働きを阻害 | ミノキシジル:血管拡張・毛乳頭細胞・毛母細胞の活性化作用 |
副作用 | 性欲減退や勃起不全等 | 性欲減退や勃起不全等 | 内服薬:低血圧や動悸等 外用薬:痒みやかぶれ等 |
医療機関への相談
薬では効果が薄い場合や進行が早い場合には、医療機関に相談して治療薬以外のやり方も検討してみましょう。
自身の髪を移植する「自毛植毛」や、頭皮に有効成分を注入する「メソセラピー」等の治療方法があります。
お医者さんと相談しながら、自分に最も合った治療方法を探してみてください。
正しくトリートメントを使って薄毛の悪化を防ごう
トリートメントは髪を保護してくれる役割があり、決して髪や頭皮にダメージを与えるものではありません。
しかし使い方を間違えると薄毛の進行を助長してしまう可能性があるため、正しい使い方で強い髪を育てましょう。
自分に合ったトリートメントを選ぶのも大事なポイントです。
しかしAGAの場合は、トリートメントを見直しても薄毛は改善されないため、早めの治療をご検討ください。
この記事の参考サイト
トリートメントで薄毛予防:抜け毛を防ぐ方法とヘアケアの基本:AGAメディカルクリニック
ドライヤーで抜け毛が増える?原因や正しい乾かし方について解説:AGAメディカルクリニック
コンディショナーとトリートメントの違いとは – 女性の薄毛対策に正しく選ぶヘアケア方法:こばもと皮膚科
薄毛の人はどれくらいいるのか?【6,000人日本調査】:浜松町第一クリニック
AGAとは?:AGAスキンクリニック
プロペシアとザガーロとミノキシジルの違い:イースト駅前クリニック