薄毛というとどうしても中年やお年寄りのイメージがあります。
それなのに大学生でハゲてしまったら…落ち込んでしまいますよね。
しかし安心してください!
実は20代の「10人に1人」は薄毛に悩んでいます。
悩んでいるのはあなただけではないのです。
早めに治療を始めれば、これ以上の悪化を防ぐことができます。
今すぐ薄毛の原因や対処法をチェックして、将来の髪を1本でも多く守りましょう!
20代の10人に1人はAGA
薄毛の主な理由は「AGA(男性型脱毛症)」という病気。
日本皮膚科学界ガイドラインによる「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、20代の約10%が発症するとされています。
聞いたことはありますか?
AGAとは男性ホルモンが原因の脱毛症
男性の体の中には「テストステロン」というホルモンがあります。
これは男性ホルモンのことで、筋肉をつけたり、男性器の機能を向上させたりといった「男性らしい身体作り」に寄与しています。
このテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素と出会うと、「DHT(ジヒドロテストステロン)」に姿を変えます。
DHT(ジヒドロテストステロン)は特に二次成長時に不可欠のホルモンなのですが、同時に薄毛の促進にも寄与してしまいます。
髪の毛の毛根には「男性ホルモン受容体」というたんぱく質があるのですが、DHT(ジヒドロテストステロン)がこれと結合すると、脱毛因子「TGF-β」が発生。
これを受けた髪は途中で成長をやめ、成長しきらない内に抜けてしまいます。
髪の毛が生え変わる回数は生涯に15~20回までと決まっていますので、ぽんぽん抜ければすぐにその回数に到達し、髪が早々に生えなくなってしまうのです。
これを、AGA(男性型脱毛症)といいます。
AGAの特徴&セルフチェック
自分がAGAかどうかをチェックするには、3つの見るべきポイントがあります。
1つ目は薄毛の場所。
AGAは「おでこの生え際」か「つむじ周りの頭頂部」から禿げが進行します。
その理由は、AGAの原因となるⅡ型の5αリダクターゼがその辺りに多く分布しているため。
M字ハゲ・O字ハゲ・U字ハゲであれば、AGAの可能性が高いでしょう。
2つ目は髪の状態。
AGAは髪の成長を阻害した後で抜けていきますので、髪がいつもより細く短くなったという場合はAGAの前兆である可能性が高いです。
3つ目は皮脂の量。
AGAの原因であるDHTには、脱毛の他、皮脂を増やすという働きもあります。
最も皮脂腺が多いのは頭皮ですので、もし急に頭がベタつくようになったと感じている方はAGAを発症している可能性があります。
大学生がAGAになる3つの理由

AGAの発症数は、30代で約3割、40代で約4割、50代で約5割弱と、年齢を重ねるごとに増えていきます。
では大学生という若さで発症するのにはなにか特別な理由があるのでしょうか?
今回はAGAを発症する主な理由を3つご紹介します。
- 親からの遺伝
- 乱れた生活習慣
- 間違ったヘアケア
親からの遺伝
AGA発症の主な原因は、親からの遺伝です。
特に母方の家系からの遺伝の影響が強いと言われており、母方の祖父がAGAの場合は75%、祖父&曾祖父がAGAの場合は90%の確率で遺伝すると言われています。
遺伝される情報は、「5αリダクターゼの活性度(=どれくらいテストステロンと結合しやすいかどうか)」「男性ホルモン受容体の感受性(=どれくらいDHTと結合しやすいかどうか)」の2点。
この内「男性ホルモン受容体の感受性」が高ければ高いほど若くしてAGAを発症しやすいという論文があります。
乱れた生活習慣
遺伝の他、偏った食事バランス、運動不足、睡眠不足等もAGAを発症しやすくします。
研究によって、高脂質・高糖質の食事をすると5αリダクターゼが活性化することが分かっています。
5αリダクターゼが活発に動く=DHTが大量に生成されるということですので、もし今お菓子やカップ麺ばかりの生活をしているのなら要注意です。
また人はストレスを感じると、一時的に「コルチゾール」というホルモンが、副腎皮質から正常な量だけ分泌されます。
運動不足や睡眠不足でストレスが長期間かかり続けコルチゾールが過剰に分泌されると、毛包(髪が抜けないよう繋ぎとめる役割)や毛の成長サイクルに悪影響を及ぼし、AGAを発症します。
まだ若いから多少夜更かししても大丈夫!とお思いかもしれませんが、それは危険な考えかもしれません。
間違ったヘアケア
ヘアカラーやパーマ、間違った洗髪、紫外線の影響等で頭皮環境が悪化することもAGAの原因となり得ます。
正確には、それだけでAGAの直接的な原因にはなりません。
基本は前述のホルモンバランスの乱れ等が原因で、そこに頭皮環境の悪化がプラスされることでさらにAGAが起こりやすくなるという仕組みです。
若い人であれば毎日気合を入れてヘアセットされているかもしれませんが、たまには意識的に頭皮をいたわってあげてください。
早めのAGA治療が非常に重要!
AGAは、進行形の病気です。
回復することはありません。
すっかり禿げ上がった状態で治療を始めても、毛が生えてくることはないということです。
そのため早めに治療を始めて、これ以上抜け毛を増やさないという処置が必要になります。
気づいたその瞬間からすみやかに治療を始めましょう。
AGA治療は基本20歳から
すみやかに…とは言いましたが、残念ながらAGA治療は20歳以上でないと受けられません。
未成年の大学生の方は、あと1~2年待たなければいけません。
それまでの間は、AGAをこれ以上悪化させないよう気を付けながら過ごしてください。
治療する場合の施術内容と金額
20歳以上の皆様は今すぐに治療を始めましょう。
治療は、主に治療薬を用いて行われます。
治療薬は、「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3種類。
それぞれの詳細な情報は以下の通りです。
| 薬の種類 | プロペシア (フィナステリド) |
ザガーロ (デュタステリド) |
ミノキシジル |
|---|---|---|---|
| 使用方法 | 飲み薬 1日1回1錠服用 |
飲み薬 1日1回1錠服用 |
飲み薬:1日1回1錠服用 塗り薬:1日2回患部に塗付 |
| 料金 | 1mg28錠8,200円~ (ジェネリック同量3,800円~) |
0.5mg30錠10,500円~ | 外用:5%60g5,500円~ |
| 効果 | Ⅱ型の5αリダクターゼの働きを阻害 | Ⅰ型及びⅡ型の5αリダクターゼの働きを阻害 | 血管拡張・毛乳頭細胞・毛母細胞の活性化作用 |
| 副作用 | 性欲減退や勃起不全等 | 性欲減退や勃起不全等 | 飲み薬:低血圧や動悸等 塗り薬:痒みやかぶれ等 |
※ミノキシジルは、飲み薬と塗り薬の2種類がありますが、2025年現在日本国内で認められているのは塗り薬だけになります。
※金額は目安であるため、病院・クリニックによって異なります。
生活習慣やヘアケアも見直そう
治療薬での治療は、効果が現れるまでに約半年を要します。
そのため、治療と並行して生活習慣の見直しも行うとより効果的です。
食事は髪の栄養になるものを選ぶ。
睡眠や運動で自律神経を整える。
正しい洗髪方法で髪へのダメージを減らす。
できそうなことからで良いのでぜひチャレンジしてみてください。
髪を育てる食事と洗髪方法についてはこちらから。
髪型や髪色を工夫して隠すのも手
治療・生活習慣の見直しを進めている間は、とりあえず髪型を工夫して薄毛を隠しましょう。
薄毛をごまかしやすいおすすめの髪型・髪色をそれぞれ3つずつご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
おすすめの髪型3選
ショートカット
1つ目のおすすめの髪型はショートカット。
ショートカットはクセがなく誰でも似合いやすいのが嬉しいポイントです。
髪が長く重いと重力で下にひっぱられぺたんこに見えてしまうため、短髪で髪を軽くした方が全体的にボリュームが出やすくなります。
ツーブロック
ツーブロックは、顔のサイドを刈り上げて頭頂部に髪を残す髪型です。
頭頂部が多少禿げていても、サイドの毛がもっと短いためあまり目立たなくなります。
しかし一部の学校や会社ではツーブロックが推奨されない所もあるため、もしこれから就職活動を控えているという方はやめておいた方が良いかもしれません。
坊主
髪がフサフサ生えている中にぽつんと頭皮が見えるから目立つのです。
思い切って全部剃って坊主にしてしまえば確実に薄毛だと気づかれません。
ただ、髪がない分紫外線等の外部刺激を受けやすくなるため、頭皮のケアをこまめにやるように心がけてください。
おすすめの髪色3選
金髪
薄毛は、頭皮の肌色と髪の黒色のコントラストのせいで目立ちます。
そのため、髪を肌に近い色にすれば目立たなくなります。
しかし金髪にするにはブリーチで髪を傷める必要があり、それが原因で髪が細く弱ってしまう可能性もありますので要注意です。
茶髪
黒髪よりも肌に近く、金髪よりもダメージが少ない髪色といえば茶髪ですね。
明るい茶髪から暗い茶髪まで幅広い種類があり、学校や会社に通っていても染めやすいのがメリット。
垢抜けた雰囲気も出せますので、大学デビューがてら試してみてはいかがでしょうか?
ハイライト
ハイライトカラーとは、髪全体を同じ色で染めるのではなく、一部分だけを明るい色で染めること。
そうすることでより動きや立体感が出やすくなり、薄毛をごまかしやすくなります。
のっぺりとした雰囲気に悩んでいる方はぜひ検討してみてください。
早い段階の治療で未来に髪を残そう
20代でも発症する可能性があるAGA。
主な原因は遺伝ですが、生活習慣の乱れ等も絡んでいます。
大学生活を謳歌するために好きなだけ飲んで食べて、夜更かしして髪もしっかりセットして…という過ごし方をしている方もいるかもしれませんが、それが原因でAGAが深刻化し大学生活が辛いものになっては元も子もありません。
心から充実した大学生活を送るためにも、頭皮や髪に気を配り、AGAが疑われるようであれば早めに治療を始めるようにしてください。
この記事の参考サイト
AGAに関する実態調査:FNNプライムオンライン
薄毛の人はどれくらいいるのか?【6,000人日本調査】:浜松町第一クリニック
Factors associated with early-onset androgenetic alopecia: A scoping review:PLOS One
脱毛症が糖尿病・心臓病による死亡の予測因子に?:Care Net
【ドクター監修】AGAでは毛根で問題が起こる?仕組みとケア方法を紹介:Pixie Dust Techologies,Inc
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版:日本皮膚科学界ガイドライン




