「頭の形が尖っているとハゲやすい」「頭皮が硬いとハゲやすい」という噂を聞いたことはありませんか?
頭の形はそう簡単に変えられるものではないため、自分は大丈夫だろうかと不安になってしまうこともあるでしょう。
今回は、頭の形と薄毛の関係性について解説していきます。
頭の形とハゲやすさに関係があるという明確なデータはない
2025年現在「頭の形が尖っているとハゲやすい」と明言された論文等は存在していません。
逆に、「頭の形が尖っていてもハゲやすさとは関係ない」と明言された論文等もないため、現時点では「どちらとも言えない」という結論になります。
頭の形が尖ってるとハゲやすいと言われている理由は?
ではなぜ、「頭の形が尖っているとハゲやすい」と噂されるようになったのでしょうか。
考えられる理由は以下の2つです。
- 頭蓋骨の肥大に伴う血行不良
- 因果関係が逆
頭蓋骨の肥大に伴う血行不良
人間の頭蓋骨は生まれてから2~3年で急速な成長を終えその後は緩やかに肥大を続けます。
それによって頭皮が引っ張られて皮膚が硬くなり、血行不良が起きて毛に栄養がいかなくなって薄毛になる…という考えです。
血行不良が薄毛につながるのは事実ですが、現状、頭蓋骨がいつまで肥大を続けるのか、それが本当に薄毛と関係あるかが明確になっていない状況です。
頭の形ごとのハゲやすさ
頭蓋骨の肥大によって薄毛が引き起こされるとする場合、頭蓋骨の形とハゲ方にも関連性があると言われています。
例えば、頭蓋骨の頭頂部が尖っている場合、そこに向かって生え際の皮膚が引っ張られ「M字ハゲ」となります。
頭蓋骨の両サイドが角ばっている(=ハチが張っている)場合は、頭頂部の皮膚が左右に引っ張られるため「O字ハゲ」となります。
重ねてになりますが、現状頭の形と薄毛の関連性は明確になっていないため、あくまで仮説の段階であることに注意が必要です。
因果関係が逆
髪が少ない人は頭の形をより鮮明に確認することができます。
中には尖った頭の人もいることでしょう。
それを見た人が、頭の形と薄毛の関連性に着目したという可能性が考えられます。
「頭の形が尖っている→薄毛になる」ではなく、本当は「薄毛の人の頭が尖っていた→頭の形と薄毛は関係あるのでは?」という流れだったのではないでしょうか。
頭皮が血行不良になってしまう理由
前述の通り、血行不良が薄毛の原因になるのは事実です。
しかし、血流を悪くする原因はなにも骨格の話だけではありません。
頭が尖っている人も、尖っていない人も、他に自分が血行不良の危険をはらんでないか今一度チェックしてみましょう。
- 頭皮に負担のかかるヘアスタイル
- 生活習慣の乱れ
- 精神的ストレス
- 冷え
頭皮に負担のかかるヘアスタイル
女性に多いのが、髪を結び続けることで起きる「牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)」。
強く結ぶことで皮膚や頭皮の血管が圧迫され、血流が悪くなるという病気です。
しかし男性も油断してはいけません。
マンバンヘアで毎日髪を強く結んでいる人、毎日同じ分け目にしている人、毎日ヘルメットや帽子を被っている人も同じく牽引性脱毛症を引き起こす可能性がありますので、思い当たる節がある人は要注意です。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れが原因で血行不良に陥るパターンもあります。
特に、運動・食事・睡眠の3点について見ていきましょう。
運動不足
本来筋肉は、伸縮を繰り返し血液を心臓に送るポンプの役割を担っています。
しかし運動不足が続いて筋肉の柔軟性が低くなるとポンプ機能が低下。
血液がうまく流れなくなってしまいます。
バランスの悪い食事
高脂質のものばかり食べると血液がドロドロになり、血液の流れが悪くなります。
また、あまり水分をとらないと、血液中の水分量が減少し流れが悪くなります。
血液をサラサラにするためには、食事内容を見直し水分も意識的に摂取することが重要です。
睡眠不足
睡眠不足により自律神経のバランスが崩れ、血行不良に陥ることがあります。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2つで構成されていますが、睡眠不足時は交感神経が優位になります。
交感神経は、興奮時やストレス時に優位になり、血管を収縮させて血圧を上げる神経ですので、これが優位に立っている時は血液の流れが悪くなってしまいます。
精神的ストレス
前述の睡眠不足時と同様、精神的ストレスを抱えている時は交感神経が優位に働きます。
血管の収縮が起きることで血液の流れが悪くなります。
冷え
通常血液は、体内で作られた熱を運びながら全身を巡ることで、体温を一定に保つ役割があります。
しかし気温が低くなると、臓器のある中心部の体温を維持しようとして血管を収縮させるため、身体の末端まで熱が運ばれなくなります。
ストレッチ、湯船に浸かる、厚着をする等身体を温めることで改善されます。
今からできる対策
様々な理由で血行不良に陥ることがわかりました。
それでは、血流を良くするための対策も合わせてチェックしていきましょう。
- ヘアスタイルの変更
- 日々の生活の見直し
- 十分な睡眠
ヘアスタイルの変更
髪を結ぶのも、帽子を被るのも、時々であれば問題ありません。
髪をおろしたり分け目を変えたり、適宜帽子を脱ぐ等して、定期的に髪と頭皮を休ませてあげましょう。
日々の生活の見直し
日々の生活スタイルを見直せばおのずと身体の調子も良くなります。
薄毛に関係なく取り入れたい対策です。
適度な運動
適度な運動は、筋肉のポンプ機能を回復させてくれる上、ストレス発散にも効果的。
冷えも解消されて良いことづくめです。
バランスの良い食事
バター等の動物性油脂は飽和脂肪酸が高く血液がドロドロになりやすいため、オリーブオイル等の植物性油脂に変えるのがおすすめ。
それ以外のおすすめ食材についてもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
食材 | 栄養素等 | 効果 |
---|---|---|
サバ等の魚介類 | DHA | 血液中の中性脂肪を減少 |
海藻やきのこ | 食物繊維 | 血糖値の急上昇を抑える |
玄米やオートミール | 食物繊維 | 血糖値の急上昇を抑える |
納豆 | ナットウキナーゼ | 血栓を溶かす |
十分な睡眠
とあるデータでは、睡眠時間が7時間程度の人は4時間以下の人と比べAGA発症率がおよそ10%も低くなりました。
睡眠不足はストレスにも繋がりますので、そういった面でも毎日7時間程度の睡眠時間を確保するのがおすすめです。
頭皮のセルフマッサージ
頭全体を手でつかみ、円を描くように指を動かしてみてください。
頭皮が指と一緒に動かないようであれば、「頭皮が硬い」という判断になります。
そんな固まった頭皮を柔らかくするには、マッサージが効果的。
特に、後頭部と首の間の「後頭下筋群」、頭部を帽子のように覆う「帽状腱膜」、こめかみより上に広がる「側頭筋」を重点的に揉みほぐすのがおすすめです。
AGAの治療薬「ミノキシジル」の塗付
AGA治療に使われる治療薬「ミノキシジル」には、毛包周辺の血流を改善し、発毛にかかわる細胞の活性化を促す効果があります。
それにより毛に届く栄養量も増えて毛が強くなるという仕組みです。
1日2回患部に塗付し、塗付し始めてから約半年ほどで効果が出始めます。
60g5,500円~始められ、ミノキシジル含有量5%以下の外用薬であれば薬局やドラッグストアでも購入可能です。
AGAが疑われる場合は、ぜひ一度お試しください。
血行を良くして早めの薄毛対策を
頭の形と薄毛には、現状直接的な関連性は認められておりません。
関連性があると言われている理由は、頭蓋骨の肥大化に伴う頭皮の血行不良。
血行不良と薄毛には関連性がありますので、頭の形以外で血行不良になっている可能性があるのであれば、血流を良くする対策を講じてみてはいかがですか?
この記事の参考サイト
Gaining Closure: Do Cranial Sutures Fuse at Reported Age Ranges?:PRS GLOBAL OPEN
血液がサラサラになる食べ物・飲み物とは?食事・生活習慣改善で血栓を予防しよう:日暮里・三河島内科クリニック
ハゲの原因は骨格?:仙台整体タマハガネ
冷え性の改善!ストレッチで筋肉をほぐそう!?:健康管理検定(後援:文部科学省)
健康一口メモ~冷え性のしくみと予防~:健康管理事業センター
薄毛(AGA)になりにくい睡眠時間は7時間!:浜松町第一クリニック